SERVICE SCIENTIST’S JOURNAL
顧客満足
の
定義
顧客満足の定義を深掘りすると、CS向上の盲点が浮かび上がる。心掛けのCS、闇雲なCSから卒業のときです。
心掛けの顧客満足(CS)から卒業する
顧客満足は、どうしても心掛けや精神論で捉えがちです。しかし近年では、CSをロジカルに捉え、戦略的に仕立て直して、サービス事業の成長ドライバーとしてテコ入れする企業が増えています。心掛けのCSから卒業すべきときなのです。そのためにもまず、顧客満足の定義から、CSの伸びしろを理解しておくべきです。
顧客満足の定義
”顧客満足は、顧客の事前期待をサービスへの実績評価が上回ったときに得られる”
逆に、事前期待よりも実績評価の方が小さいと、ガッカリされて顧客を失ってしまいます。また、事前期待と実績評価が同じだと、印象が薄いので競合他社に顧客を奪われてしまう可能性があります。
言われてみれば当たり前でイメージ通りと感じた方も多いでしょう。しかし、この定義を深掘りすると、これまでのCS活動が少し筋違いだったかもしれないと気づきます。
CS向上の盲点とは
顧客満足は絶対値ではない。事前期待と実績評価の相対関係で顧客満足は決る。
これが顧客満足の定義の最も重要なポイントです。これを踏まえて、今までのCS活動を振り返ると、盲点に気付きます。活動のほとんどが、「実績評価をいかに大きくするか」にしかフォーカスできていないのです。先ほどの定義によれば、顧客満足は事前期待と実績評価の相対関係なので、「実績評価」の方だけに着目してCSに取り組むのは筋違いだと言えます。
つまり、「何をしたらCSが向上するか」の前に、「どんな事前期待に応えたらCSが向上するか」を明確にしなければならないのです。目標地点として事前期待の的がはっきりしていないと、闇雲なCS活動になってしまいます。
*これは、サービスの定義から明らかになったポイントと同じです。(詳しくは「サービスの定義」を参照)
とはいえ、事前期待の議論は実に奥深いものです。そこで、事前期待とは一体どんなものなのかについても、ロジカルに理解しておきたいものです。