SERVICE  SCIENTIST’S  JOURNAL  

サービス競争

​新時代

顧客も従業員も顧客接点も減っていく環境において、2040年までに1/4の日本企業が消失するというデータも。この時代をどう進むのかを真剣に考えなければなりません。

 顧客も従業員も顧客接点も減っていく

 2018年11月に日本生産性本部にあるサービス産業生産性協議会から、とても印象的な提言が発信されました。“労働力喪失時代における持続可能な社会経済システム 『スマートエコノミー』の実現をめざして”と題したレポートです。

日本の大きな課題である生産性向上のために、人口減少に伴う社会経済システムの再構築と経営戦略の転換について提言がまとめられていました。詳細の説明は避けますが、その冒頭でとても意味深い2つのグラフ が紹介されており、さらなる厳しいサービス競争の時代が到来することが見て取れました。まさにサービス競争新時代の幕開けといえます。

 顧客と従業員の獲得競争が激化する

 ひとつは、人口減少のグラフです。日本の人口は、2015年から2045年の間に16%も減少します。これは、日本市場の需要が縮小し、市場や顧客の獲得争いが激化することを意味します。加えて、生産年齢人口の減少率は人口の2倍近い速度で進むと言われています。つまり、日本人の労働力不足はますます深刻化するということです。今後の日本経済は、需要の縮小と労働力の喪失が同時に加速することで、多くの日本企業が存亡の危機を迎えることになります。

 

 サービス事業は、顧客からも、従業員からも、積極的に選ばれ続けるように磨き上げなければならないというわけです。

詳しくは「自己犠牲からの脱却」を参照

 20年間で4分の1の企業が消滅する

 2つめのグラフは、財務省財務総合政策研究所 『フィナンシャルレビュー』2017 年 6 月、131 号による企業数の推移です。2040年までに、現在、約400万社ある企業の約25%にあたる100万社もが姿を消すというというのです。この厳しい生存競争の中で、日本経済の大部分を占めるサービスの生産性の向上が必要不可欠です。真に価値があり競争力のあるサービス事業でなければ淘汰されてしまいます。

 このサービス競争の新時代は、これまでの勘と経験に頼ったサービス経営で生き抜けるほど甘くはありません。経営者の個人的な経験知と価値観のみで事業をマネジメントできる時代ではなくなるのです。そこで、サービスの本質を捉えて組織的に事業の成長力や競争力を高められるような、強いサービス事業へとステージアップすべく、サービス改革に乗り出す企業が増えています。

 顧客接点は密から疎へ

 新型コロナウイルスの影響で、社会や経済の環境は「密」を避けて「疎」に向かっています。これは、顧客とのリアルな接点が減ることを意味します。この環境の中で、サービスモデル自体を大きく変革しようとする企業が増えています。「疎」な顧客接点であっても、価値あるサービスを顧客と共創できるサービスモデルとはどんなものか。接点が「密から疎」に向かう中で、関係性はより「密」であるためには、サービスモデルにどんな工夫を組み込めるのか。

 サービス競争の新時代に突入したことで、新たなサービスイノベーションやサービス経営革新を生み出そうとする企業があります。ピンチを成長や変革のチャンスにできれば、日本企業が1/4も消失するという未来予想を塗り替えられるのではと思います。塗り替えられるようなサービス改革でなければと思います。

 

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