SERVICE  SCIENTIST’S  JOURNAL  

価値ある

事前期待の

​見つけ方

ポイントを押さえなければ、事前期待をたくさん挙げても、価値ある事前期待を見つけられるとは限りません。

 たくさん挙げれば良いというものでもない

 これまでさまざまなサービス改革の場で、サービス事業の中心に据えるべき事前期待について数多く議論してきました。事前期待と言っても実にさまざまで、事前期待をたくさん挙げても、価値ある事前期待を見つけられるとは限りません。価値ある事前期待を見つけるポイントを押さえておくことが大切です。

 事前期待の階層を深堀りする

 事前期待は階層構造をしています。表面的な事前期待もあれば、深層心理に迫るような事前期待もあります。表面的な事前期待であっても、顧客がその期待を持つ理由を考えると、より深い階層の事前期待を見つけられます。深層にある事前期待のなかには、「価値観や人生観に触れる事前期待」や「諦めている事前期待」など、キーワードもいくつか見つかっています。

詳しくは、「事前期待のキーワード」を参照

 加えて、深い階層の事前期待から、いくつもの表面的な事前期待が派生していることも分かります。さまざまな表層的な事前期待に応えようと色々と努力するより、深層の事前期待をとらえて応える努力に集中する方が、波及効果が大きいのです。

 もちろん、あまりに深層の事前期待には、「幸せになりたい」というような、サービス事業としてどう応えたらいいのかわからないものもあるため、闇雲に事前期待を深堀りすれば良いというわけではありません。事前期待の階層構造を意識して、自分たちのサービス事業では、どのあたりに着眼すべきかを議論することが大切です。

外食サービスを例に

たとえば、外食サービスにおいて、「素材にこだわっているお店で食事がしたい」という顧客の事前期待に着目します。その理由を深掘りしたところ、「子どもの健康を中心に食を考えたい」という深層の事前期待が見つかります。この事前期待からは、素材へのこだわり以外にも「禁煙のお店がいい」「子どもとの利用を歓迎してくれるお店がいい」「子どもの好き嫌いをなくしたい」など、さまざまな表面的な事前期待が派生していると分かります。この場合、「素材へのこだわり」に着目するより、深層の「子どもの健康を中心に食を考えたい」という事前期待を中心に考えた方が、サービスに広がりが生まれます。

このように、事前期待は階層構造をしていることを理解して、その階層を行き来してみることで、サービス事業の中心に据えるべき事前期待の的を見つけることができます。

 

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