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SERVICE  SCIENTIST’S  JOURNAL  

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ビジネス

スタイルの

変化

​ニーズの変化に伴って、サービス事業のビジネススタイルや顧客との関係性を変革しなければ、これからの時代、顧客から選ばれ続けることはできないかもしれません。

 受け身から提案型に生まれ変わろうとする企業が増えています。今の時代、受け身の姿勢で依頼通りにきっちりやるだけでは、ビジネスが伸び悩むようになりました。そこで、積極的にお客様に提案するスタイルに生まれ変わろうというものです。しかし実は、提案型のビジネススタイルの企業も苦戦しています。提案しているのにお客様からは「提案が足りない」と言われたり、提案がなかなかお客様にフィットしない。受け身型でも提案型でも苦戦する時代、今何が求められているのでしょうか。そのヒントは「お客様のニーズの変化」にありました。お客様のニーズの変化に合わせて我々が取るべきビジネススタイルを考えてみたいと思います。

 

 

「受け身型」のビジネススタイルから脱却する

 

 昔、必要なモノが不足していた時代には、顧客のニーズはもっぱら「モノが欲しい」というものでした。車が欲しい、テレビが欲しい、ITシステムが欲しいなど。この時代には、顧客のニーズが「モノが欲しい」と明快であったため、我々は「受け身型ビジネススタイル」で十分にやっていけました。製品は基本的な性能でよく、作れば売れる。サービスは指示通りに提供すれば喜んでいただける。

 

 「モノが欲しい」という顧客ニーズは、いずれ「よいモノが欲しい」へと変化します。顧客は画一的なモノやサービスに飽きてしまい、自分に合ったモノ、自分のためのサービスを求めるようになります。すると「受身型ビジネススタイル」のままではお客様に付加価値を感じて頂けなくて、価格競争に追い込まれたり、仕事量が減ってしまうようになります。

 

 そこで登場したのが「提案型」のビジネススタイルです。これは、顧客ニーズに合わせて、どんどん提案をしていこうというものです。ただし実際は、顧客ニーズを直接聞くことは難しい場合もあり、顧客ニーズを推測したり、流行モノを提案するということがされています。しかし最近では、提案がお客様になかなかフィットしなくて、提案型で苦戦する企業が増えています。

 

 

「提案型」のビジネススタイルでも苦戦する今の時代

 その背景には、やはりニーズの変化があります。以前はお客様に「何が欲しいですか?」「どんなサービスが受けたいですか?」「どんな機能が必要ですか?」と聞くと、的確な回答をいただくことができました。しかし最近では、モノやサービスや情報が溢れ、業務やITも高度化し、グローバル化が進んで現場が見えなくなってきています。そこでお客様に「何が欲しいか?」と聞いても、なかなかうまく答えられなくなっています。つまり、お客様自身「欲しいモノが分からない」という時代になってきているといえます。

 

 お客様自身が「欲しいモノが分からない」のに、「このお客様にはこの提案が喜ばれるに違いない」と勝手に考えて提案しても、提案がお客様にフィットしないのは当然の結果といえます。私たちがこれからの厳しいビジネス環境を生き抜くためには、「提案型」のビジネススタイルからも抜け出さなければならないのです。

 

 

お客様の問題を一緒に探す

 お客様自身が「欲しいモノが分からない」時代になりました。そんなお客様に喜んでいただき、ビジネスを成長させるのに効果的なビジネススタイルとはどんなものなのでしょうか?

 それは「問題探索型」のビジネススタイルです。

 

 顧客ニーズが明確になってから対応をする「提案型」のビジネススタイルから脱却して、問題を探し出すところからお客様とご一緒するという考え方のビジネススタイルが「問題探索型」です。

 「何が欲しいのか?」ではなく、その背後にある問題や悩みは何かを、お客様と一緒になってひも解いていき、問題の全体像を明らかにしたり、根本的な問題や価値観を見つける。このプロセスをご一緒することで、その後の問題解決など、お客様から選ばれるための信頼関係を築くことができるのです。

 

 例えば、目に見えないサービスを買って頂くために、事前のご相談プロセスを問題探索型に磨き上げて、他社に圧倒的に優位な形で、サービス契約を伸ばしている企業が増えています。また、運用や管理、メンテナンスなどのアフターサービスにおいて、お客様との長いお付き合いの中で掴んだ問題点を顧客サービスの向上に活かすことでリピートオーダーの獲得など、選ばれ続けるための努力に力を注いでいます。このように、提案依頼を受けるのを待つのではなく、問題点やニーズを明確にするためのプロセスから積極的にご一緒することができる企業が、お客様からの信頼を獲得して、ビジネスを伸ばしています。

 

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